コロナを機会と捉え新たにB→Bを開拓、企業の社員獲得で売上拡大

相談のきっかけ

シニアの会員が多いためコロナ禍のシニア減少対策が課題
成田空港の勤務を経て地元にUターン。元々はPC教室の従業員としてインストラクターだったが、本部判断で撤退する事になり、EBOの形で店舗承継し社長として平成20年に創業。従業員は1名ながら地道に顧客拡大を図り、市内ではTOPのPC教室へと成長した。
シニア初心者をメインに、和気あいあいとした雰囲気を強みとし売上拡大してきた同社。しかしコロナ禍でシニアの重症化リスクがある中、シニア顧客の退会が何名か発生、売上も対前年で減少。ただし従来のシニア増加策は、感染した際の重症化やクラスター発生の可能性もあり、行うのは自粛する局面となってしまった。
そのため、密を防ぐ感染対策と同時に、どのような売上拡大の打ち手があるかという内容でCOに相談があった。

課題整理・分析

シニアに頼らない新たなターゲット開拓が喫緊の課題
COの過去相談対応での提案により、シニアメインだったターゲット設定をシニアとビジネス(会社でPCを使う人やPCスキルを習得し転職したい人)に分けて訴求しており、コロナ前からビジネス会員も増えてきていた。
また、新聞の折り込みチラシをメインで集客してきたが、新聞を取っている層はシニアが多く、感染リスク対策で回数を自粛していた。
その上でCOは相談者に対し、コロナ発生後に入会したビジネス会員のニーズについてヒアリングを実施。その結果、遠方の顧客と取引の多い会社は先方の要望でメールにワードやエクセルの資料を添付してのやり取りやZoomでの打ち合わせが増加してきており、PCスキルがコロナ前のレベルでは仕事にならないケースも増えているとの事であり、ビジネス会員の更なる拡大可能性を感じ、深堀する事とした。

解決策の提案と実施

コロナ禍のリモートワークを機会と捉え新たにB→B開拓
まずCOはターゲット拡大を提案。①既存のB→Cのビジネスコースの訴求強化に加え、②新ターゲットとしてB→Bの開拓(会社から社員を教室に派遣してもらいPCスキルを会得してもらう)である。具体策提案として、①は検索がメインとなるため、HPの改修(ビジネスコース強化)、Googleマイビジネスの整備、SNSの発信強化、の3点を重点的に行い、チラシ以外の流入経路を強化。更に、一種類だった問い合わせ客への説明資料もビジネス向けシニア向けと一新し入会率アップを図った。②のB→Bは経営者の勉強会等に参加して告知。また知り合いの経営者にPC教室への社員受け入れコース実施中を口コミで行った。また、コロナ対策も含め「しっかり集中部屋」「ゆっくりマイペース部屋」とニーズへのコンセプトも明確にして2部屋に分けた。

支援の成果

B→Bの新規開拓が上積みとなり過去最高売上を達成!
令和3年6月時点でB→Cのビジネス会員が前年比120%アップ。新規ターゲットのB→B派遣会員が累計で13人と売上貢献した結果、過去最高売上を達成した。Googleマイビジネスも北上でトップ表示。ちなみに相談当初時点から継続的に売上拡大し4年で約2倍の売上となった。
今後は一般的なPC教室の枠を超え「ICTで北上を幸せな地域にする」をミッションに掲げ、他事業者と連携して、新たなチャレンジを図っていく。

◎相談者の声

相談前は新事業を始める度に長い時間を掛けて挑み、それでも成功しないことが多々ありましたが、プロの意見を聞いて実行するようになってからはひとつひとつの目標に辿り着くまでに遠回りすることがなくなりました。理想はやり方次第で現実できるということも教わりました。おかげでコロナ禍でも止まらず前進できています。

◎岩手よろず支援のポイント

SWOT分析を用い、コロナ禍はシニアには脅威だがビジネス層には機会だと説明。更にビジネスを既存ターゲットのB→C(個人)と新ターゲットのB→B(法人)に分類し、それぞれの具体的なビジネスチャンスを説明した上で、まず相談者自身に具体的なアクションプランを考えてもらった。
COから一方的に提案するのではなく、相談者が考えた打ち手を一緒にブラッシュアップしていく、売上と相談者の成長も促す支援を心掛けた。

担当コーディネーター:山口 敏CO

株式会社アプリステイ
◎代表者名/能瀬 聡子
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