「働き方改革」に対応した労務環境の構築

相談のきっかけ

現状の労務環境の棚卸
創業以来、 Bluetooth/BLE応用商品関連の近距離無線技術事業を中心に、プリンタ関連、センサー応用機器等、お客様の戦略商品の開発やモノづくりを通して、電子回路設計・FPGA設計・ファームウエア設計・メカ設計の組込みコア技術のトータルな提供をし、競争力ある製品開発を行っている。
この相談以前から、事業計画の作成、施策活用等で、「よろず支援拠点」にはお世話になっていた。今回は、今までの相談とは別に、「働き方改革」に対応した労務環境を構築して行こうということから、専門家に現状を棚卸していただき、アドバイスをいただきたいという趣旨での相談になった。

課題整理・分析

「働き方改革」に対応した労務環境の構築
現状の就業規則を確認し、現状の法改正に対応したものか、どうかを確認する。就業規則の条文の中で、曖昧な表現となっている部分を聞き取りしながら、具体的な対応ができるように条文を変更していく。育児休業、介護休業規定について、法改正に合わせた条文を盛り込んでいく。コロナ対応として、テレワーク規定がどうなっているのかを確認し、不足があれば、追加をしていく。副業・兼業規定についても、現状を確認し、トラブル防止の観点から、アドバイスをしていく。

解決策の提案と実施

働き方改革に合わせた就業規則の変更・整備
まず、最初に働き方改革の概要について説明を行った。次に改正しなければ、ならないことを時系列に提示した。相談者の場合は現状でも、「働き方改革」についての対応ができていると思われる。これに続いて、行うべきことを提案させていただいた。フレックスタイム制と年次有給休暇取得の関係について、具体的な場面に合わせて、アドバイスを行う。兼業・副業の現状について、説明をさせていただき、問題点と会社がどのように対応すればよいのか、アドバイスを行った。
労働者が終業の後の時間をどう活用するのか、これはまったく自由である。裁判例も最近は特にその傾向になっている。ということであれば、就業規則に副業・兼業を認め、その場合はどうするのか?つまり、届出と申請の方法を明記することが必要となる。また、会社が副業・兼業を禁止するための4つの条項も盛り込んでおくこと。これがあれば、労働者が副業を行うリスクを会社として軽減することができる。

支援の成果

労使双方で働きやすい環境を
今回の育児休業、介護休業規定の法改正に合わせた就業規則の変更により、「働き方改革」に合わせた労務環境の整備が整った。ただ、今回の相談で終了ということではないので、今後も、働きやすい環境を整備していくことが重要である。相談された企業様は、「働き方改革」に取り組む意識も高く、また労使双方で労務環境を整備していこうという姿勢は素晴らしいものがある。また従業員の年次有給休暇取得率の割合、短時間コアタイムでのフレックスタイム制度の導入、テレワークの実施等、岩手県の企業では、あまり導入されていない先進的な事例も多くある。ぜひ、岩手県の「働き方改革」のモデルケースとして、他に情報を発信されること期待している。

◎相談者の声

自社内だけで、「働き方改革」に対応するのは、不安だったが、専門家にアドバイスをいただき、自信を持って就業規則等の変更を提案・実施することができた。変更内容は、労使双方にとって大きなメリットになり、職場のワークライフバランスの向上も期待できます。

◎岩手よろず支援のポイント

難しい法律用語を使用せずに、平易な言葉に置き換え、相談者目線に立ったアドバイスを行うことを心がけた。相談開始時から、1年余り、継続的に支援、アドバイスをさせていただき、労使双方にバランスの取れた労務環境を実現するように心がけた。

担当コーディネーター小笠原 裕一CO

株式会社 イーアールアイ
◎代表者名/水野節郎
◎住所/岩手県盛岡市上堂三丁目8-44
◎電話番号/019-648-8566
◎HPアドレス/http://www.erii.co.jp/