美味しさを言語化した「朝獲り完熟桃」で
通販売上2倍!桃利益5倍!

相談のきっかけ

美味しさには自信があり通販顧客数が強みだが、売上横ばい
よろず相談で売上を倍以上にした複数の友人経営者の勧めで来訪。自動車関連の社会人を経て、9年前に事業承継。勘と経験の従来型農業に加え、科学的な根拠で農作物の商品価値を高める取り組みを行い、その独自の努力で美味しさに対する顧客からの評価は高い。また、BtoCにも早くから取り組み、県内外に通販顧客が多数おりギフトと自己消費での需要があるのがもう一つの強み。ただし売上横ばいで低利益率という現状だった。

課題整理・分析

通販売上拡大のための商品訴求力をどうアップするか?
COから相談者へのヒアリングの結果、桃やリンゴは木に生るため需要に応じた収穫の増減が難しい一方、収穫しても売れ残りそうな商品は廃棄ロス回避のためスーパーに安く卸している状況だった。同じ桃でも販売チャネルによって大きく販売単価(粗利率)が違い、BtoC通販→直売所→ふるさと納税→飲食事業者→スーパー卸の順であり「単価を高く売れる通販チャネルの販売構成比をどう上げるか」と課題設定した。

県内外にギフトや自家消費で購入してくれる通販顧客は一定数おり、毎年パンフレットを送付して予約販売を実施、高粗利で最も重要なチャネルである。しかし、ここを更に拡大していくブランディングを含めた高付加価値訴求が出来ておらず、品質には自信があるが通販の販促面でどんな打ち手を行えばいいか分からない、という状況だった。

解決策の提案と実施

「なぜ美味しいのか?」の徹底的な言語化とネーミング提案
ヒアリングの結果、最初のゴールをパンフレットのブラッシュアップ、その先のゴールをブランディングの明確化、と設定。まず「美味しい」という抽象的な表現を「どう美味しいのか?なぜ美味しいのか?」というヒアリングを繰り返し具体的な表現に落とし込み、インパクトとシズル感のある言語に転換。ギリギリまで木で完熟させ朝収穫してその日に発送する事がコアの価値ではないかと仮説を立て、2回目の相談時に「完熟朝採り桃」というコンセプトにもなるネーミングを提案。相談者が納得する方向性の共有が図れた。

次に「完熟朝獲り」を軸にパンフレットの全面改訂案を提示。①美味しさの3つの秘密、②桃紹介の文章変更、③比較要素の追加、④表紙含むデザイン面でのレイアウトと高級化、等を具体的に総合支援し、相談者自らでパンフレットを作成した。

支援の成果

商品価値の言語化で最も粗利率が高い通販での売上を倍増
パンフレット一新で通販売上前年比2倍、桃全体では売上1.4倍粗利5倍の実績を達成。また通販の売上構成比アップで、スーパー卸が6割削減でき、搬送作業減など業務改善の効果も大。

現在はリンゴと米に成功事例の横展開を図りつつ、完熟をコンセプトに農園自体としてのブランディングを構築中。「完熟への一途なこだわり」というキャッチフレーズとパッケージデザインも提案。なお今年度の桃予約も昨年の1.5倍と好調持続。

◎相談者の声

粗利率向上に努力してきましたが思うように成果を上げられずにいました。山口COへ相談し、ブランディングの実行で、短期間で目標以上の粗利率を実現できました。また最初から中長期視点のアドバイスも頂き、さらに発展していけるビジョンが見えています。専門家の的確なアドバイスを頂けた本事業に本当に感謝しています。

◎岩手よろず支援のポイント

1部分だけではなく、より相乗効果が見込めるトータルな支援策を立案。販売戦略立案、ターゲティング、仮説構築、ブランディング、提供価値の言語化、コピーライター、デザイナー等の各役割をディレクター的に1人で行った事で、ぶれずに相談者の納得度を向上しながら、スピード感を持って支援。
「顧客ならどう感じるか?」を意識して相談者にフィードバック。顧客に価値を最適に伝えられるよう、自分を仮想顧客に見立てて支援。

ふじむら農園
◎代表者名/藤村真哉
◎住所/岩手県盛岡市手代森3-97 ◎電話番号/019-656-0080