商品企画を重視した商品リメイクと商談力UPで加工品売上前年比120%達成

相談のきっかけ

売上拡大のための商品開発についての相談
有限会社かさい農産は、岩手県一関市で「農でつながる 農で輝く」の理念のもと、安全な農作物を生産することを通して持続可能な共生社会を実現することを目的としている企業。野菜の生産だけでなく、加工品の製造・販売と6次産業の取り組みも行っており、地域の農家との連携も積極的に行っている。
新商品開発に取り組もうと考えていたが、加工するための設備が乾燥商品となっており、OEMで開発したほうがいいか社内で議論していたが、以前相談したことがある、よろず支援拠点の専門家の意見が聞きたいということで、相談に至った。

課題整理・分析

一次産業が陥りやすい商品開発・商談力に課題
野菜は安定した売上が確保できているが、加工品の主力である、ごぼう茶・野菜パウダーの売上は伸び悩んでおり、新商品の開発を考えておられた。OEMも視野に入れていたことから、OEMによる商品開発についても説明は行ったが、既存商品も拝見させていただき、取り扱い野菜から自社加工工場でできる加工を行い、パック詰めした流れで開発された商品と感じた。新商品の開発前に、まだ可能性がある既存商品のブラッシュアップを提案し、さらに売上拡大・販路開拓に必要な営業ツールが無いことも課題と捉え、この2点について課題設定を行った。

解決策の提案と実施

商品企画の重要性の理解と商品提案書の作成
当社の強みである、生産から加工・販売までの一貫した商品を、OEMではなく、商品企画の考え方を取り入れて既存商品をリメイクすることとした。商品開発は用途開発でもあり、利用シーン、ニーズを捉えているかなど、消費者目線が必要となることを説明。デザインも自社で行っているなど、ポテンシャルが高く、デザイン性も良いことから、使用しやすい小パック、使用用途の提案などに取り組んでいただいた。
ごぼう茶は、かわいいパッケージにデザインして小パック商品に、パウダーは使用用途をわかりやすくトップデザインに記載するなど、当社のポテンシャルの高さを感じる商品にリメイクされた。合わせて、商品提案書をA4用紙1枚にまとめる支援を行い、完成することができた。

支援の成果

既存商品リメイクと提案書による商談力UPで新規取引2社
ごぼう茶の小パック化、パウダー商品の用途提案を実行し、さらに営業ツール(商品提案書)を作成して、伸び悩んでいた加工品の新規取引が直近の展示会で2社獲得、ふるさと納税や自社ECサイトでも売上増を図ることができ、加工品の売上が前年対比で120%達成した。今後は、ギフト対応もできるように考案中であり、展示会出展なども積極的に参加する方向性である。

◎相談者の声

以前は商談会に参加しても商品特徴しか訴求ができず短い時間しか足を止めていただく事ができず苦労をしておりましたが、使用用途、販売先のニーズに合わせたお話し、ツールの活用をすることで1社あたりの滞在時間、見積依頼件数も増加。さらには成約にも結びつきました。今後も引き続きご相談させていただければ幸いです。

◎岩手よろず支援のポイント

新商品開発をOEMで考えておられたが、当社は6次産業を実践している企業の強みがあることと、企業ポテンシャルの高さをヒアリングにて感じたことから、希望に対しての説明は行ったが、こちらから既存商品のブラッシュアップの提案を行った。

担当コーディネーター藤井 登CO

有限会社かさい農産
◎代表者名/代表取締役会長 葛西 信昭
◎住所/岩手県一関市川崎町門崎字川崎65-10
◎HPアドレス/https://www.kasainousan.net