デザインの見える化による外構工事提案で売上前年比140%

相談のきっかけ

コロナ禍で花部門の取引先契約解除で今後に危惧
創業平成26年、花巻市で約6ヘクタールの農地で、ハウス・路地野菜、リンゴ、桃等を生産している。野菜・果物は、産直やふるさと納税返礼品として販売しており、好評を得ている。また、花部門として、切花やアレンジメント、リースや外構工事も行っている。
当社の後継者として、現在は花部門を担当している相談者は、コロナ禍になり、売上の主となっていた開業医から、経費削減のために、花・メンテナンス等の年間契約解除を告げられ、今後も経費削減の対象となりやすい業種であることから、打開策を考えたいが、どうして良いか分からず、再度、当拠点に相談に来られた。

課題整理・分析

業務の効率化と価値の伝え方が課題
COはまず、契約解除となる原因を究明するため、仕事の内容を確認したところ、取引先の担当者からは満足度が高く、アレンジメント等のセンスを高く評価されていた。しかし、依頼されてから対応するだけで、コンセプトや提案を事前にしたことがなく、経営者はもっと安いところでもいいのではとの判断をした。このことから、取引先に価値が伝わっていなかったことが原因として考えられた。
また、一人で対応していることから、効率化の必要性があり、内容を分析すると、売上〔花<庭メンテ<外構〕、負荷〔外構<花<庭メンテ〕となっており、外構に注力すべきと判断した。現在までに、外構工事でホームメーカー、建設会社等のネットワークは豊富にあり、大きな強みであるが、当社に依頼したくなるような提案ができていないことから「外構工事に対して価値の見える化提案」を課題として設定した。

解決策の提案と実施

外構工事の図面化とイメージの見える化
まずは現在まで施工した外構工事の写真を撮ってきていただき、施工事例を作成することを提案した。また、依頼されるための提案ツールとして、ガーデン図面を作成できる安価なソフトを導入し、見える化とコンセプトを伝えることを重ねて提案した。相談者は外構施工写真だけでなく、アレンジメント写真、クリスマスディスプレイ動画も知人にお願いして作成するなど積極的に取り組み、図面ソフトに関しても使いこなせるよう努力した。
コンセプトを「Time Flow~時の流れ~」として、春夏秋冬を楽しめる庭造りの提案ができるようにし、アフターサービスとしてメンテナンスを付加して、客単価アップも望める提案とした。

支援の成果

価値の見える化提案でB2B売上前年比140%
売り上げ規模の大きいB2Bの案件は、依頼を待っているだけだったが、施工事例とガーデンデザインを図面化し、営業したことで、ハウスメーカー、建設会社からの依頼が増え、売上前年比140%となった。春には花が咲き、夏は新緑、秋は紅葉、冬はクリスマスディスプレイと、時の流れを感じていただくコンセプトに基づくガーデン提案を、今後、ホームページ等でも伝えて行くことを予定している。

◎相談者の声

自分のわがままな相談に親身に対応していただき、様々な考え方と提案をお聞きしたことで、コロナ禍で不安な気持ちを、ワクワクする気持ちに変えていただきました。やらなければいけないことから逃げていた自分を改めて、教えていただいた、お客様目線で満足していただける提案ができるよう、取り組んでいこうと思います。

◎岩手よろず支援のポイント

仕事をセンス良くこなす能力は高いが、行った仕事を次につなげ、価値を提案していくところが欠けており、もったいないことを、デザインセンスのリスペクトを大切にしながら伝えた。相談者も戦略的な部分を置き去りにして、忙しさに逃げていたと本音を漏らしておられた。COの提案を進めることをメインにせず、自発的な改善を引き出すよう心がけて対応した。

担当コーディネーター藤井 登CO

合同会社高橋農園
◎担当者名/高橋 寛重
◎住所/岩手県岩手県花巻市東十二丁目23-12
◎電話番号/0198-24-3524